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としまの診療所だより
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介護・自立支援

身体拘束しない介護はできる?当院が「最小化」に取り組む理由

看護部 (としま昭和病院 看護部) 監修:院長 4分で読めます
#身体拘束#身体拘束最小化#介護#自立支援#人間らしさ
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入院中のご家族に面会に行ったら、手にミトン(手袋型の抑制具)が付けられていた。ベッドが柵で囲われていた——。「安全のためです」と説明されても、胸がざわついた。そんな経験をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。

「身体拘束しない介護は、本当にできるのか」。今日は、この難しい問いに、当院がどう向き合っているかをお話しします。

身体拘束とは?どんなことが当てはまる?

身体拘束とは、本人の行動の自由を制限することを指します。たとえば次のようなものです。

  • 手指の動きを制限するミトンや、体をベッドにとめるベルト
  • ベッドを柵で囲んで、自分で降りられないようにすること
  • 車椅子からずり落ちないように、テーブルなどで体を固定すること
  • 自分で脱げない「つなぎ服」の着用

転倒や、点滴・チューブを抜いてしまう事故を防ぐため——理由はいつも「安全」です。けれど拘束には大きな代償があります。動かないことで筋力は急速に落ち、混乱や不安(せん妄)はむしろ悪化しやすく、何より「自分の体を自分で動かす」という人間の尊厳が損なわれてしまう。安全を守るはずの拘束が、その方の回復する力を奪ってしまうことがあるのです。

国のルールでは「原則禁止」。例外は3つの要件すべてを満たすときだけ

介護保険施設などでは、身体拘束は原則として禁止されています。例外的に認められるのは、切迫性(生命・身体が危険にさらされる可能性が著しく高い)、非代替性(拘束以外に代わる方法がない)、一時性(必要最小限の時間に限る)——この3つの要件をすべて満たす場合だけ、とされています。

つまり本来、身体拘束は「仕方ないもの」ではなく「例外中の例外」。問われているのは、拘束の前にやれることを尽くしたかなのです。

当院の取り組み:2024年から「身体拘束最小化」を進めています

当院では2024年4月から、身体拘束を最小化する取り組みを進めています。正直に申し上げれば、「今日からゼロです」と一足飛びに言えるほど簡単な道ではありません。それでも「拘束しないためにどうするか」を先に考える順番へ、現場の発想を変え続けています。

その土台になっているのが、当院が取り組む科学的介護(自立支援)です。そわそわと落ち着かない、夜間に混乱する、何度もトイレを訴える——拘束のきっかけになりやすいこうした状態の背景には、脱水や便秘、活動不足といった手を打てる原因が隠れていることが少なくありません。水分・食事・排便・運動の基本ケアを整えて原因そのものを減らす。この考え方は科学的介護「かなえる」の記事で詳しくご紹介しています。

平日の院内デイサービスで日中の活動性を高めることも、夜間の安眠につながる大切な取り組みのひとつです。

ご家族へ:疑問は、そのまま聞かせてください

もし当院で、またはどこかの病院・施設で、ご家族への拘束について説明を受けて疑問を感じたら、「なぜ必要なのですか」「ほかの方法はありませんか」「いつまでですか」と尋ねることは、決して失礼なことではありません。3つの要件の考え方は、そのための共通言語です。

私たちも、ご家族と一緒に考えたいと思っています。入院や介護に関するご相談は、お電話(03-3953-5555・代表)で「医療連携室に相談がある」とお伝えください。

介護の限界を感じる前に知ってほしい選択肢は「もう無理」その前に。地域包括ケア病床という選択肢で、当院の考え方の全体像は院長からのメッセージでお読みいただけます。

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