予防医学
更年期の不調、それって病気?ひとりで悩まないで
目次を表示する
「熱っぽいのに、熱はない」「理由もなくイライラして、家族に当たってしまう」「夜中に何度も目が覚める」「検査では異常なしと言われたけれど、確かにつらい」——。
40代後半から50代にかけて、こうした不調を感じる女性は少なくありません。今日は、更年期の不調について、「病気なの? 気のせいなの?」というモヤモヤに、やさしくお答えしていきます。
「検査で異常なし」でも、つらさは本物です
まずお伝えしたいのは、検査で異常が見つからなくても、あなたのつらさは気のせいではないということです。
更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく揺らぎながら減っていきます。このホルモンは、体温調節や自律神経、気分の安定など、身体の幅広い働きに関わっているため、揺らぎの影響も、ほてり・発汗・動悸・めまい・だるさ・不眠・気分の落ち込みなど、実にさまざまな形で表れます。
血液検査やレントゲンに映らないからといって、「異常なし=問題なし」ではありません。日常生活がつらいと感じるなら、それは立派な受診の理由です。
こんなときは、一度ご相談ください
とはいえ、「これくらいで病院に行っていいのかな」と迷いますよね。目安として、次のような場合はご相談をおすすめします。
- 不調のせいで、仕事や家事がいつも通りにできない日がある
- 眠れない日が週に何日も続いている
- 気分の落ち込みが2週間以上続いている
- 症状が更年期のせいなのか、別の病気なのか不安がある
特に最後の点は大切です。動悸は心臓の病気、だるさは甲状腺の病気や貧血など、更年期の症状によく似た別の病気が隠れていることがあります。「全部更年期のせい」と自己判断せず、一度きちんと調べておくと安心です。
治療とセルフケアの選択肢
更年期の不調との付き合い方は、ひとつではありません。
- 生活の工夫:睡眠のリズムを整える、身体を温める、カフェインを控えめにする。小さな工夫でも、症状が和らぐことがあります。
- 漢方薬:更年期のさまざまな症状は、漢方が得意とする分野のひとつです。当院の漢方内科では、体質と症状をゆっくり伺いながら処方を検討します(完全予約制)。
- 婦人科的な治療との連携:ホルモン補充療法など専門的な治療が適していると考えられる場合は、連携する医療機関をご紹介します。
そして何より大切なのは、ひとりで抱え込まないことです。「家族に話しても、わかってもらえない」という孤独感が、症状のつらさをさらに大きくしてしまうことがあります。
「歳のせい」で片づけないで
更年期は、病気ではなく、誰にでも訪れる人生の通過点です。けれど、その途中のつらさを我慢し続ける必要はありません。
「こんなことで受診していいのかな」と思ったときこそ、どうぞ気軽にいらしてください。あなたの話をゆっくり伺うところから、一緒に始めましょう。外来の受付時間は公式サイトでご確認いただけます。漢方内科の予約は、お電話(03-3953-5555・代表)にて承っています。
関連記事
2026.06.26 内科外来
「薬を飲みたくない」あなたへ〜薬だけに頼らない選択肢
「できれば薬を増やしたくない」という気持ちは、わがままではありません。生活習慣の見直しや漢方など、薬だけに頼らない選択肢について、当院の考え方をご紹介します。
続きを読む2026.07.01 院長
「その人らしく生きる」を、支える。〜院長からのメッセージ
なぜ、としま昭和病院は「その人らしく生きる」を大切にするのか。薬を処方するだけの医療ではなく、予防医学、介護、自立支援まで。このメディアに込めた想いを、院長がお話しします。
続きを読む2026.06.19 医療連携室
「もう無理」その前に。地域包括ケア病床という選択肢
在宅介護の「もう限界かもしれない」に、追い詰められる前に知ってほしい。おうちでの療養と病院の入院のあいだにある「地域包括ケア病床」の役割を、やさしく解説します。
続きを読む